こんにちは!ブログ担当のeye(アイ)です!
就職・進学・転勤とお引越しの時期ですね。そこで今日のテーマはこちら。
少し早いような情報ではありますが、不動産購入が決定し、賃貸住宅を退去する際のトラブルを避けるための情報を本日はお届けしたいと思います。
賃貸住宅の退去時は原状回復に関するトラブルが発生する事が懸念されます。そもそも借主が原状回復費用を負担すべきか、もしくは貸主が負担すべきかでトラブルに発展するケースが考えられます。無駄な出費を防ぐため、考え方を整理しておいて欲しいと思います。
原状回復費用とは、普通に生活して発生する傷みや汚れ以外で、物件に与えたダメージを復旧するための費用と定義されます。『借りた当時の状態に戻すための費用』ではないということを把握しておいて欲しいです。
少しでも費用負担をさせたい『貸主』と、少しでも費用負担を避けたい『借主』は利害が対立する為、トラブルに発展するケースがあります。契約書は貸主側で作成するのが一般的であり、借主が内容を十分に把握せず契約をしているケースが多い為、退去前には過去の契約書を確認しておくことは必要です。
国土交通省がまとめた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると
①経年変化・通常損耗(建物・設備等の自然的な劣化・損傷等)は貸主負担
②借り主の善管注意義務違反、故意・過失による損耗等は借主負担となっています。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html
①の例としては、経年による壁紙の黄ばみや畳の日焼け、家具設置によるフローリングのへこみ、設備・機器の故障・寿命、テレビ・冷蔵庫など後部壁面の黒ずみなどです。これらを回復するための費用は、それまでの賃料に含まれているとされ、『貸主』の負担とされている。
②の例としては、ペットによる傷や臭い、子どもの落書きや物をぶつけた破損、たばこによる黄ばみ、クーラーからの水漏れを放置した壁の腐食などが挙げられます。
ただ借主の過失による損耗でも、必ずしも全額負担の必要はないケースも存在します。経年変化による損耗は貸主負担の考え方から、建物や設備の経過年数が長いほど、借り主の費用負担割合が少なくなっていくと考えるのが一般的です。
例えば壁紙などの耐用年数は6年だが、3年で退去した場合、過失で壁紙を傷めたとしても半分の費用負担が適当とされる。この考え方は各項目の耐用年数に応じており、エアコン、畳床、カーペット、クッションフロアは6年、流し台は5年となっています。
フローリングや壁紙は過失による損耗でも、平米単位で壊れた箇所だけを借り主が負担するのが望ましいとされています。
色や柄を揃えるためにやむを得ず全面を張り替える際も、毀損箇所を含む一面分の張り替え費用のみを借り主が負担し、毀損の無い残りの面の費用は貸主の負担とするのが妥当です。
ハウスクリーニング代もトラブルになりやすい。ガイドラインによると、基本的に『貸主』負担ですが、一般的には次の居住者のためのもので、費用は次の居住者の家賃に含まれているとの考え方だが、特約で『借主』負担とされている契約書もあるので注意が必要です。
ただ、契約書に具体的な金額の記載がなかったり、特約記載ページへの記名押印などの形で借主が義務負担の意思表示をしていなかったりすると、法律上無効になる可能性が大きいようです。退去前には、契約書を改めて確認しておくことをお勧めします。
物件の資産価値は入居時を基準に算定される。損耗・損傷の有無などについて、入居時に貸主立ち合いで確認し、チェックリストを作成しておきましょう。さらに写真や動画で記録しておくと、不当な請求に対して対抗しやすくなります。
不動産購入が決まり、賃貸住宅の退去時にトラブルが発生してしまっては、新生活のスタートが気持ちよく切れません。